2019/02/11 20:09

子どもの頃は家で動物を飼っていましたが、それから十数年間はペットの居ない生活でした。そんな中、2013年のお正月に家にやってきたのがトカゲのボンドです。

当時私は体調を悪くしていて家にいる時間が長かった。猫を飼っている兄に、動物でも飼ったらどうかと言われ、私もその気になりました。ただ、私は猫アレルギーがひどく、犬の毛にもときどきアレルギーが出ます。他に何を飼えるだろうと考えたその頃、義姉から、知人にフトアゴヒゲトカゲを飼っている人がいて鞄に入れて連れ歩いたりもしていると聞きました。年明け、見るだけと思いながら爬虫類を売るお店に行ったのですが、兄の後押しもあり結局そのまま連れて帰ることになりました。

思い返すと不思議です。私は爬虫類が好きなわけではありません。餌は生きた虫をやらなければならないし、ボンドのフンはドブのように臭かった。でも名前を付けたその日から、可愛くて可愛くて仕方がなくなってしまったのです。フトアゴヒゲトカゲを好きになったというよりは、私はボンドが好きでした。

手のひらにおさまるほどの大きさだったボンドは数ヶ月おきに脱皮を繰り返し、あっという間に40センチほどに成長しました。私は毎日、ボンド、ボンドと名前を呼び、膝に乗せ、肩に乗せ、夜は寝ている姿を飽きずに見ていました。

10年ほど生きると聞いていましたが、思わぬ病気が見つかり、わずか1年半で去っていったボンド。一緒に暮らした期間にどれほど癒されたことか。私の体調も劇的に回復していきました。ボンドへの愛情が深まるほどに、自分の内にも満たされていくような感覚がありました。

トカゲとの出会い?と自嘲するときもありますが、5年経った今でも、あの感覚を時折思い出します。