小さな幸せ | あぁ、楽しや木版画!

2021/01/17 12:21

ここ一週間ほど、なぜか左足の甲の同じところがときどきチクッと痛むようになった。治まっては忘れたころにまたチクッとする。何度かは素足になって、傷がないか、トゲでも刺さっていないか確認してみたが見当たらず、このところは靴下の上からさすってやり過ごしていた。


昨日の朝も、ストレッチをしていたらチクリと痛み出し、もう首をかしげるような気持ちで靴下をめくり肌を入念に触ってみた。やっぱり何もない。これを神経痛と呼ぶのかしら、と思ったとき、ん?
顔をぐーっと足に近づけてよくよく見てみると、皮膚の下に、5ミリほどの細くて黒い何かがうっすら見える。肌の表面には傷ひとつ無いのに。一見血管のようで、違う。これ、もしかしたら髪の毛かも。これが痛みの原因なのか?

気付いてしまえばそのままにするのは居心地悪い。よぉし、取るっきゃない。
マチ針をコンロの火でオレンジ色になるまで熱して(母が殺菌のつもりでよくこうやってたから)、マキロンとガーゼで患部を消毒。黒い異物の真ん中めがけて針を刺した。そんな痛くもないんだけど、ほんとに浅く刺したんだけど、血で赤い点ができた。
何度かツンッと刺してパッと引き上げてみるものの、何も引っかからない。
ん〜、このまま傷付け損で終わるのは嫌だなぁ、と諦めつつ最後のひと刺し。少し深めに。

すると…
ニョロ。
あっ! 針先に黒い何かが引っかかった。そのまま慎重に持ち上げるとやっぱりそれは髪の毛だった。
やった…!ガーゼの上に5ミリほどの髪片をちょこんと乗せて、止めてた息を吐き出した。手術成功。

そう、私は洗面台でしょっちゅう髪を切る。バリカンもよく使う。裸足の甲にハラハラと落ちた髪片のひとつが、そのあと細胞に飲み込まれるようにして皮膚の下に入っていったってこと? 毛穴から?
それも私の知らないところで。不思議だな。

あぁ、取り除いたときの興奮たるや。釣竿に重みを感じ見事魚を釣り上げたかのような達成感。これで痛みも解消と、気分晴れ晴れの朝だった。


木版画 2020年