2021/04/11 19:57

仕事で長い小説のゲラを読んでいる。上下巻。面白いことは面白いんだけど、とにかく私は遅読で、しかも普段読まない類の小説とあって、なかなか終わりが近づかない。ベッドにうつ伏せになって朝昼晩とちょっとずつ読むんだけど、もう知恵熱が出そう。


去年、ストレスがかかるとやけ食いを起こす病気と診断された。その名も「むちゃ食い障害」という嘘みたいな病名で、摂食障害の一種。カルテには、診断:「むちゃ食い障害」に加えて、その下に「非定型うつ」も書き足される。コロナ禍で摂食障害の女性が増えたというニュースを見たことあるけど、無理もないよなぁと思う。私はコロナが蔓延し始める少し前に、これは摂食障害かも、という自覚を持った。20代に急性うつ(大うつとも言うらしい)で入院したりもし、特に驚きはなく、むしろ大元はこっちだったかと納得した。

患者によってもちろん食べる量は違うんだけど、私のむちゃ食いはだいたい夕食後「はぁ、お腹いっぱい」というところからスタート。実家にいるときなら、食品棚や冷凍庫開ければ何かしら食べ物はあるわけで、トースト焼き出したりアイス食べ出したり、そこからカップヌードル開けたり。それでも悶々とするときは夜外に出てセブンのアメリカンドックと肉まんを買ったりする。それで終わるときもあれば、ひどいときは気が落ち着くまで食べるのが続く。モヤモヤした罪悪感のため息だけでご飯3杯はいけちゃう。

健康な人でそれくらい食べている人はいるので、量は問題ではなく、それによって社会生活に影響を及ぼしたり、食べた後悔に異常に苛まれたりするのが「病気」ということなんだそうだ。何より、病気の症状だから過食を自分では止められない。
むちゃ食い障害は非排出型過食症といい、吐いたり下剤を使ったり過剰な運動をしたりしないタイプの過食症。過食症、拒食症がいくつかのタイプに分けられるということも専門書を読んで初めて知った。拒食から過食に変移したり、知れば知るほど摂食障害は複雑だ。病気って全ての病気に共通して、孤独な戦いだよなぁと思う。

とはいえ、ここまで食べるようになったのは救いでもあって、それまでは「食べたい、ダメダメ太る、我慢我慢」の構図こそがストレスに拍車をかけてもいたらしい。専門書に"過食症は痩せたい病気"っていう言葉もあったけど、頷けるわぁ。対人関係療法は、食べてしまうことをただの症状、身体からのSOSと捉えて、過食自体に注目する必要はないとしている。注目すべきは”食べるスイッチ”が入ったときの「今、何にモヤモヤを感じてるのか」という本質的な自分の気持ちだけ。そこへの対処には努力を惜しまない。これを知っただけでも少し楽になった。

そんなこんなで、とりあえずゲラを読むのは一旦諦めて、この土日は逃避行。他のことをして気分転換できた。こんなブログなんて書いちゃったりもしてる。時間はまだある、焦らず行こう。今は「なんとかなる精神」を大切に育てているところ。