2021/11/08 21:24
『それぞれのそれぞれVol.2レジ打ちバイト』刊行。
Vol.1、2と、2冊揃うだけでニンマリしてしまう。お恥ずかしいが。
「それぞれのそれぞれ」って言葉、最初は版画作品のタイトルにするつもりだった。
いつかそれも作りたいと思っているけど、先にこの小冊子の名前に使うことにした。
そもそもは古アパートに1年間住んだとき、この全8戸の部屋に、見えないけどそれぞれの暮らしがあるんだなぁとしみじみ思った。というか認識した。駅からの帰り道にあるいろんなアパートにも、遠くに見える大きなマンションにも、それぞれが詰まってるわけだなと。
それとは別に、「それぞれ」ってのはつまり「それぞれ違う」ってことだよな、と思うと、なんかそれがちょうど去年の自分にフィットした。ちがう暮らし、ちがう環境、ちがう文化、ちがう感覚、ちがう身体、ちがう髪の毛、ちがう理解。ちがうってことはときどきすごく面白く、ときどき受け入れ難い。ちがうってことを受け止めるのは、私には容易ではなく、場合によってすごく時間のかかることである。
冊子の最初に小さく書いた説明文。
『それぞれのそれぞれ』は、「すべて、本当に人それぞれ」という当たり前の大前提を、自分自身が忘れないようにするために始めた不定期発行の冊子です。
これは、すべて人それぞれだから、ハイサヨナラっていう意味じゃもちろんない。
ちがうってこと、それをそのまま「ふむ、違うんだな」と、ただそう思えたらいいなと思ってる。自分を寄せていく必要も、人を責める必要もなくなる、はず。見えない事情を想像できるようになる、はず。あなたもわたしもサイコーってこと。を、忘れたくない。そのほうが私は楽に暮らせる。
「ふむ、違うんだな」だけじゃ解決はしないけど、「それぞれのそれぞれ」って言葉をひとまず身近に置いておこうと思った。
冊子の内容はささやかな私のそれぞれです。