2022/03/18 19:48

一昨日の朝、図書館へ。

前野健太「グラサン便り」は前号で終わってしまったのだけど、ほとんど習慣のようでもあったし、棚から最新号の『すばる』を手にとってみた。
次にどんな人たちの連載が始まるのか、少し興味がある。

表紙に並ぶ新連載陣の名前のなかに、辻山良雄とあり、おっ、と思った。
嬉しい発見だ。荻窪の本屋 Title の店主で、面識は全くないが、兼ねてから辻山さんの書く文章に好感を持つことが多かった。
お店には、2階にあるギャラリーの展示を何度か観に行ったことがある。

読んでいて、きっと真面目な方なのだろうと思う。マエケンと同様に。
1ページだけのエッセイは、長すぎず短すぎず、私には丁度よい。

そんなわけで、毎月この図書館で『すばる』を立ち読みする習慣は継続されることとなった。連載を卒業したマエケンの置き土産だ。
そもそも『すばる』の存在を認識したのは1、2年くらい前で、マエケンの連載に気付かなかったら私がこの文芸誌を手に取るきっかけも無かったように思う。

この日は色についての本を探していて、気になった2冊を持って席に着く。
私は青がとても好きで、それと同じくらい赤も好き。
青は古くから平和や東を象徴する色であるらしく、赤は太陽や愛情の象徴である一方、戦争を想起させる色でもあるらしい。
日本の伝統色一覧を見ているだけでも面白い。青系に、瓶覗(かめのぞき)、勿忘草色、空色、水色、縹色(はなだいろ)、露草色などなど。赤系に、茜色、猩々緋(しょうじょうひ)、紅緋、桃色、韓紅など、などなど。
黄色も緑も好き、最近は紫も気になる。

さて帰ろうかというとき、古い絵本がまとまって置かれている棚に行き着いて、興奮した。
昭和10〜20年頃初版で、昭和53年に復刻された絵本。絵は、武井武雄、初山滋、岡野栄、小山内龍など。
黄色や赤の函入りもある。色とりどりで、素朴。ものをつくるとき、たぶん自分は考えすぎなんだろうなと思った。
これは貴重ですよね? 後ろの人に言って見せたかった。

この図書館にはまだまだ本がたくさんあるのだ。
春という季節のせいか門出のような気持ちでいる。