2022/12/07 21:38
とても久しぶりに図書館に行きました。
短歌の雑誌が最近好きで、ひとつだけ空いていたソファに腰掛け、しばらくパラパラ読んでいた。
すると、少し離れたところで男性の短い呻き声のようなものが聞こえて、近くの女性が慌てて人を呼びに行き、まもなく人が集まって、私のところからは柱で見えなかったけど、男性が倒れたのだと知った。
図書館員の呼びかけには応じていて、意識はあるようだった。
私は胸がザワザワして、雑誌を棚に戻し、上の階に移動した。
ジロリ展の会期中、同じようなことが私にも起きて、ギャラリーに向かう電車内で気付いたら気を失っていた。
といっても、「迷走神経反射かも」とLINEで友人が教えてくれ、その友人も何度か倒れたことがあるらしく、それを聞いて安心したと言うのも変だけど、すごく安心した。
わりとよくあることらしい。ただ、初めてのことだったので、本当に驚いた。
白い光のなかでぼんやり目が覚めて、あぁ、朝かと。
いつもの布団に、ふんわりくるまれて。
見覚えのある顔の男性が、大丈夫ですか?と屈んで声をかけてくる。
誰に声をかけている? まさか私にかけている?
まだ夢心地で、もう少し目を開くと、布団だと思っていたのは自分の着ているコートだった。
周りには、人々の足と靴。えっ?
そうか、電車に乗っていたんだった。ドアの横に立っていたらだんだん気分が悪くなってきて、そのあと倒れたのか。
よろよろ上体を起こすと、左耳にだけイヤホンがささっていて、音楽が聞こえてきた。ひっこぬいたあとも、耳栓をしているみたいに両耳がしばらくこもっていた。
若い学生さんみたいなさっきの男性は、ドアの反対側に立っていた人だった。
私と男性の間に立っていた若い女性も、大丈夫ですか?と私の肩に触れ、声をかけてくれた。
立ち上がると、優先席付近の人たちがふぁーっと散って席を空けて座らせてくれた。冷や汗でびっしょりになった額を拭いていたら、横のおばあさんが「顔が真っ青よ」と心配してくれた。次の駅で降りて、しばらく休んで家に引き返した。
2日間休んで、そのあとはもとどおり。
私自身も驚いたけど、目の前で人がくずれ落ちるのは、けっこうショッキングだっただろうなと。
声をかけてくれたひとたち、本当にありがとうございました。
*
さて、ジロリ展、たくさんのご来場どうもありがとうございました。
在廊は緊張もしますがやっぱり楽しくて、3人の作品が並んでいるのも楽しくて、良い刺激をいっぱいもらって無事終了しました。
大切な展示だったから、今もまだ半分放心しています。
オンライン販売は11日まで続きます。お店の1階壁面でも明日から数日間アンコール展示がされますので、よろしければどうぞご覧ください。
展示の余韻に浸る時間もままならぬうちに、次へ次へと生活が続きます。
それでも、お客さんからいただいた言葉に、ウレシカのおふたりに、そして才能豊かなあきちゃんと妙ちゃんのふたりに、大きな力をもらいました。その灯りが今もしっかり灯っています。