2023/03/08 18:03

午前中、仕事の電話を終えてふと窓の外に目をやると、さっきまでと何か景色が違う気がした。

何かが足りない気がするぞ。


干したパジャマのズボンがない!と気付いてハッとした。

4階のベランダから身を乗り出して下をのぞくが見当たらない。


ズボンのゴムをハンガーにひっかけて、ひとつだけ高い位置に吊るしておいたのだった。

不吉なリズムで風に大きく揺れていたから、危ないなとは思っていたのだ。

ハンガーごと、そっくりそのまま飛んでいったらしい。


下の階のベランダなどには入っていてくれるなよと祈りながら階段をかけ下りて外に出ると、パジャマはすぐに見つかった。

部屋の窓に面していない、マンションの角をぐるりとまわった道路わきに落ちていた。ハンガーをくるむようにしてふわっと。


踏んづけられたり、車にひかれたりした形跡もなく、ほっと一安心。

春はいささか風が強すぎる。

拾い上げたパジャマは干して間もないのにすっかり乾いていて、なんだかそれは清々しくもあった。