2023/03/23 18:50

2月に40歳になった。

40代突入は私にとっては喜ばしいことである。

40代の大人たちはなんだかんだいって、自分を受け入れる術を身に付けているように見えるから。


20代から30代の間、私は将来シワシワでシミだらけの日に焼けたおばさんになりたいと夢見ていた。

しかし、ここに来て、急に足元がぐらついている。


同年代の友人らが、美容外科の日帰りシミ取りや、新大久保の韓国コスメなどの話を楽しそうにするもので、それらを聞きながら私はぐらついている。ぐらついて立ち止まり、長年掲げてきたシミシワ日焼けおばさんの看板を一旦そっと下ろしたくらい。


私から見ればもうすでにステキな友人らが、さらに美しくなるためにそういう努力をしていて、そういう努力を楽しんでもいて、いやがおうにも自分について考えさせられる。


美人でもなければ肌がきれいでもない。化粧の仕方も知らない。日焼け止めは塗るようになったけど、もともと面倒くさがり屋というか、そもそも化粧はそこまで関心が持てず、諦めもあるのか、あぁ、いっそこのままおじさんになっちゃいたいと現実逃避して。


どういう自分になりたいのか、どこまで実現可能なのか、今はもうよくわからない。

鏡で見る自分に、他人が見る自分。自分の理想と他人の理想。

どれも絶妙に一致しないわけで、この世は不思議なものだなあ。


そんなことを考えながら、でも私もやっぱりきれいになりたいし、先月、生まれて初めて顔パックを買ってみた。敏感肌用。

風呂上がり、にゅるにゅるしたパックを慎重に広げて顔に貼りつけると、冷んやりして気持ちよかった。

なにより、世間の「仲間入り」を果たした感覚もあり、ワクワクした。

「パックワクワク」なんて版画もつくれそう。


2回買った以降やらなくなっちゃったけど、気が向いたらまたやりたい。ご褒美的に。

私はパックを知ったのだ。


何にせよ未知への一歩は新しい。

外に出て、知らないことを知って、また自分に戻ってこよう。

そういう40代になればいい、と思う。