前野健太ソロライブ、10月。

ライブにはハイライト的瞬間が大抵あるわけだけど、それって歌う人がいわゆるゾーンに入る瞬間ってことなのだろうか。

ゾーンに入っているかどうか、観ている側に判別することはできるのだろうか。

少なくとも、目がすわったな、とかいうのは観ていると分かる気がする。

数年前のライブで、声を張り上げ感情的に一曲歌い終えたあとマエケンが、

「まるで今すごく気持ち込めて歌ってたみたいでしょう？ 実はそうでもないんです」

とかなんとか言っていたのを思い出す。

ゾーンに入った、ゾーンに入りそう、ゾーンに入ったフリ、入りたいけど入れない、入りたくない、浅いゾーン、深いゾーン、

とか色々あるのかな。

歌う側にゾーンがあれば、観る側にもゾーンはある。

メロディ、歌詞、ライトの光、歌声、表情、前に座るお客さんの後ろ姿、時間の止まる感覚。

それもまたお客さんひとりひとり、きっと少しずつ違うゾーンを体験している。

ライブのハイライトは主観だけど、そういうそれぞれのゾーンが少しずつ反応し合って生まれるものなのかな。

バラバラから生まれる一体感。今回のライブでもそういう瞬間がやっぱり訪れた。けどもう忘れちゃった。