2024/08/14 15:37
先月末に発売されたマエケンのニューアルバム。それを聴いた人たちのツイートを日々読んでいる。
ファンの人たちがそれぞれ感じとったこと、なるほどなあ、面白いなあって思う。
なんかすごいなと。なぜあんなに感覚が研ぎ澄まされているのか。気軽で、正直で。
言葉という言葉が投げ込まれていくツイッター(ってもう呼ばないのか)のあの渦がやっぱりちょっと怖くて、私は何も言えなくなっちゃった。
自分の版画の宣伝なんかは書けるけど、それは仕事だと思えるから。
気軽にツイートできるファンも、一字一句を大切に呟くファンも、かっこいい。うらやましい。
常連ファンのアカウント名ならもうひととおり頭に入っている。
ひとつひとつの感想に、会ったこともない人たちの人生までもが見えてきそうだ。
ああ、やれやれ、とも思う。マエケンファンに詳しくなるためにマエケンファンになったわけじゃないのに。
そもそもファンってなんなんだ。気づいたらファンの一員になっていた。
まるでここに全てがあるかのように錯覚して、疲れる、この構造はあんまり好きではないけど、SNSってありがたい。
ライブのあとのファンの感想を読むのが好き。ファンの胸の高鳴りが見える気がするから。
前作のアルバム『ワイチャイ』が出たときもそうだった。
ひとつの生まれたてのアルバムが、人々の心を三者三様に動かしながら少しずつ広がっていくのを眺めていた。
素直に表現できるファンにときに共感しながら、嫉妬しながら。
ポツ、ポツ、ポツと灯がひとつずつ灯っていく様子を上空から眺めているみたいで面白い。
そう感じられるのも結局SNSの恩恵なのか。
あーあー、いいなあ。SNSには、関わりたいけど関わりたくない。
この人間社会で外に向けて心を開き続けるというのを、どうすればうまくできるんだろう。あくまで軽やかに。
私の中にたしかにあたたかな愛情はあると思うのに、マエケンにもマエケンファンにもうまく放出はできない。