2024/10/16 22:58

先日マンションの管理会社に初めて電話をし、ちょっとした困り事を相談したが全く相手にされなかった。

というより、担当者にもつないでもらえなかった。

今年、大家さんがマンションを手放し、マンションはこの土地に縁もゆかりもなさそうな管理会社のものとなった。

引き継ぎの際のやりとりが雑で、私は新たなこの管理会社をはなからあまり信用していない。


電話に出た男は私の部屋番号も名前も聞かず、関わる気ゼロ対応だ。

だるそうに強気で返されると自分でも意外なほどこちらもムキになった。それはそれとして、男は、ご自身で解決してください的なことを終わりに言い放ち、私も、そうしていいならそうさせていただきます的なことをなるべく平静を保った声で返した。

電話を切り、クッソォ! と思ってベッドに身を投げた。久しぶりに心臓がバクバクしていた。


なんだよあいつ〜、わかってねえなぁ!

ムカムカして散歩に出た。胸に手を当て深呼吸、落ち着け、落ち着くんだ。


ムカムカしながら歩いて歩いて、考えていた。

これはまさにそれぞれのそれぞれなんじゃないかと、そして相手を尊重するということが、現実にはまあなんと難しいことかと。

見えている景色がそれぞれ違うとき、尊重し合うってどうやるんだろうと心で嘆いた。

戦争ってこうやって始まるのだろうか、と思ったりもした。


その日金木犀が初めて香って、家に戻る頃には気持ちも少し落ち着いていた。

その夜、洗い物しながらまたふと電話口の対応を思い出し、ったくよぉぉ! と込み上げるものがあったけど、さすがにムカつきは翌朝には収まった。もともとの困り事の解決策を考えるのが先決だ。


それにしてもこうして収まる怒りは問題ないが、世の中には収まらないムカつきや憎しみが大小いっぱいあるだろう。

それらはどうやって解消されるんだろう。どうやって尊重し合うんだろう。

難しい、とても難しい。


数日経ってこれを書いている今は、あのわかってねえヤツを尊重するって、別に出来ないことでもないかもと思える。

あのときちょうど機嫌が悪かったのかなとか、ただただ適当なヤツだったのかなとか、それともあれは真っ当な意見だったのだろうか、とか。

いやいやいやいや、あれはないわ、とまた振り出しに戻りつつ、思わぬところで色々考えさせられた。

一呼吸置く、というのもとても大切だな。