友人のお誘いを受け、東京スカパラダイスオーケストラ35周年ライブ『スカパラ甲子園』を観に、いざ甲子園まで行ってきた。

初甲子園、初スカパラライブのわたしたち。

学生の頃スカパラにハマった時期があり、私は当時駒沢と三軒茶屋のTSUTAYAでスカパラの歴代CDを手当たり次第借り揃え、家のパソコンにせっせと取り込んでCDに焼いて聴きまくっていた。すっかり聴かなくなって何年も経つ。

新大阪の人の多さに辟易。甲子園球場に向かう頃には雨がぱらついてきて少し気持ちが萎えてしまいそうになったのが、球場入って一転。空が見える会場、フィールドに設けられたステージ、私たちの座席の上には屋根もある！　このあと4万人の客で埋まるというライブ前の会場の空気がすでに高揚感に満ちていた。一気にテンション上がった。おまけに雨も上がった。

開演時刻。ドラマ仕立てのメンバー紹介映像がスクリーンに流れ出し、観客の期待MAX。映像とひと続きかのようにしてメンバーがステージに登場すると球場が歓喜に沸いた。私も一緒になって興奮して、気づいたら目に涙がたまっていた。なんだかよくわからないけど、ものすごく感動した。

順々に登場するゲストも豪華だった。初・奥田民生も嬉しかったけど、何より何より、初・桜井和寿の登場にわたしはキャーと叫んでいた。会場中が叫んでいた。ゲストに来ることは知っていたとはいえ、生の桜井さんの、スクリーンに映ったあの笑顔を目にし、「innocent world」のイントロが始まろうものなら……。もうこれ以上ないというくらい胸がいっぱいになった。桜井さんがあの特徴的な声で歌い始めると一瞬にしてミスチルのライブを観ているかのように錯覚するくらい、桜井さんはミスチルそのものだった。

思い起こせば、私が小学6年のときに買った人生最初で最後のブロマイドは桜井さんの顔写真である。ませた友人らに連れられ竹下通りでクレープを食べ、たくさんの有名人のブロマイドから私はそのとき好きだった桜井さんの写真を選んだのだった。中学の頃にはたぶん捨てちゃったけど。

スカパラは現在メンバーの平均年齢57歳という。それなのにめちゃくちゃパワフルだったし演奏する姿が輝いてた。それぞれのソロも極上、特にピアノが印象的だった。スカパラをバックにマエケンが歌ったらさぞやすごいだろう、とライブ中にしてついつい我がスターの姿も想像してしまうのであった。

スカパラを観に集まった4万人の群衆のひとりになるという、実に貴重な体験をした。友人に感謝。

私は家に帰っていそいそと「innocent world」を聴きなおしている。