2025/01/14 22:00
冬晴れの朝だった。
昨日ベランダに洗濯物を干し終えて、勢いよくバアンと閉めた窓に小指の先を挟んだ。グアァッ!
自分の手で思いっきり閉めた窓にその指先が挟まれるという、誰にも稀に起こりうる哀しい悲劇。
あまりの衝撃にブルブル右手を振ると麻痺した小指がどんどんジンジン痛くなってきた。保冷剤で数分冷やしてからよくよく指を観察してみると、変な腫れ方をしていて一瞬意識が遠のきそうになった。途端に胃が気持ち悪くなった。吐きそう。机に突っ伏して深呼吸したらだんだん落ち着いた。
家にあった湿布を巻いてテープで留めて、ちょうどよく余っていた指用のネット包帯でカバーすると、まるで病院で処置してもらったかのような出来栄えになった。予定通り家を出て、図書館に行ったあとバイトの面接へ。
電車待ちのホームで小指はジンジンジンジンした。ダイジョブダイジョブダイジョブ……何かブツブツ喋り続けていないと痛みに挫けそうだった。北風も堪えた。
夜、内出血した小指の爪は赤紫に変色した。貝殻みたいで意外と綺麗な色である。私はマニキュアには興味がなく普段からしない人間だけど、する人たちが爪を色とりどりに綺麗にして気分が上がる感じというのを、少し理解したような気になった。
まだまだ痛むが折れていなくて良かった。ちゃんと曲がるし腫れは引いてきた。
今年もこの手とともにやっていくわけだ。優しくさすって眺めている。