2025/04/19 17:04

前野健太「出勤」、という名の企画ライブに今週3回行ってきた。困っちゃうなあと思いながらウキウキ「出勤」した。

マエケンが吉祥寺のライブハウスMANDA-LA2で平日、月から金、5日間連続、15回にわたってライブをするという無謀な企画。1日多くて4公演。出勤表があり、朝活・広大な昼・誘惑の夕方・夜遊び、とそれぞれ名付けられていた。マエケンてほんとに自由な人だな。

MANDA-LA2もそう。遊び心のある、なんて素敵なライブハウスなのだろう。このライブハウスの店内を絵にしてみたいと以前から思っているけど、なかなか隅々まで写真を撮る機会が無く、気持ちだけ温め続けている。


この5日間は推し活まっしぐら。Xでファンの感想を読むのが楽しかった。

加速し過熱していくこのイベントに興奮しつつ、そこから一歩後退りしたくもなる自分に少し寂しさを感じたりもした。


さて、私のハイライトは紛れもない、赤紫蘇ジュース色のサテンシャツを着たマエケンが10分押しで登場し開演した、火曜夕方の公演。遅刻のお詫びにとアンコール、ギター抱えて客席後方へ来たかと思えば、なんと椅子に座って、輪のようになって、客と同じ目線で数曲歌ってくれた。それもちょうど私は真隣で、ほどよい照明に生歌、生ギター。これはもう、まさに筆舌に尽くしがたい、終わってほしくない本当に夢のような時間であった。


さらに、至近距離というこの大きなチャンスを勇気にかえて、私はそこで人生初リクエストをすることが出来た。マエケンに辛うじて届くくらいの声を絞り出すことが出来た。

マエケンライブ恒例「何か聴きたい曲とか、リクエストあります?」コーナーでは、だいたいいつも、曲名がいくつかあちこちから叫ばれる。近年はリクエスト通り歌ってくれることが多いけど、「ふんふん、なるほど」頷きながら、「じゃあ、〇〇という曲を」と全然違う曲を歌い出すというのが慣例で、それを見て笑うのが私はすごく好きなのだ。

この日の私のリクエストも、しっかりと無かったことにされた。いずれにせよ嬉しい。もはや勲章だ。

本当に嬉しくて幸せなとき、人間てうまく笑うことができないんだなということをこの日思い知った。


”みなさんおひとりおひとりの、そのオリジナリティーに、乾杯” 

文字にすると胡散臭いMCにも勇気をいただいた。


好きなアーティストが歌っているのを、もっと日常の中で、朝昼ふらっと見てみたい、というマエケン自身の願いがもともとの発端であるこの企画。ひとたび地下に降りれば、マエケンライブは超非日常で、そのギャップが素晴らしかった。